作文練習

何か書くと楽しい、かもしれない。

怖い話が大好きなのです (自分に関する話)

 私は怖い話が好きだ。怖い話の一つとして、自分についての認識が揺らぐというパターンの怪談(というか気持ち悪い話)がある。自分の小さい頃の記憶と親の記憶が全く食い違っているとか、付き合っている彼女が突然別人になるとか、そういったパターンの話だ。もちろん病気や異世界などの理由付けは無い方が、より怖い。

 

 禅僧である南直哉氏が言っていたが、自分を自分だと認識するには、過去の自分の記憶と現在の自分が一貫しているという認識と、他人が自分を自分だと認識することの二つが必要だそうだ。

 

 冒頭の話の気持ち悪さも、自分を認識する形式が揺らぐことで生じる。つまり重要なのは認識の形式だ。形式であるからには、真の自分自身という実体はただの概念であり、自分が自分である根拠だけが自意識や周囲に存在すると言っても良い。

 

 真の自分はいないんですよと言われると、これはこれで怪談じみているような気がする。