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哲学入門(バートランド・ラッセル著)10章 メモ(2)

 ラッセルの哲学入門(参考1)10章の抜粋と読書メモの続きです。ちょっと急ぎます。

 

P127、11行~P128、1行
 (位置関係と同様に)時間の前後関係も意識する。
一連のチャイムが鳴り終わる時、先に鳴った音は後に鳴った音よりも先に知覚できる。時間関係も位置関係と同様に面識されるものに含まれる。

 

P128、2行~12行
普遍間にも関係があり、直接意識できるものもある。
「二つの緑の類似性は赤の類似性よりも大きいことを知覚できる」と理解した際、そこには関係間の関係が含まれる。それは[類似性の間の]「より大きい」である。ここには直接センスデータの性質を知覚するよりも一層の抽象能力が必要であるが、同じくらい直接的である。つまり普遍についても直接的な知識がある。

 

P128、13行~P129、13行
 (以下、本書P100に示された)「2+2=4」というアプリオリな知識(アプリオリに知られる一般命題)について論ずる。
 これは2と4という普遍の関係を述べており、ここから「すべてのアプリオリな知識は、普遍間の関係のみを扱う」という命題に至る。以下これを立証する。
 この命題が間違っているように見える場合がある。それはアプリオリな命題が「一つの集合に属するすべての個物が、別の集合にも属する」あるいは「ある一つの性質を持つすべての個物が別の性質を持つ」という場合である。[注30、本書(参考1)P211]
 この場合、性質ではなく個物を扱っているとも思える。「2+2=4」も同様な命題の一つだ。
「どういうものであれ、二つのものと他の二つのものを集めれば四つになる」
「二つのものを二つ集めれば、四つのものの集まりになる」
 という言い方ができるからだ。これが本当に普遍だけに関わることが示せたならば、先の命題は証明される。
<読書メモ>
 2+2=4は個物を扱っているように説明できなくはないとラッセルは言う。分かり難いので、注30を含め対応させながら読みたい。

 

前者:
[一つの集合に属するすべての個物が、]は、
[どういうものであれ二つのものと他の二つの物を集めれば]に対応する。

 

[別の集合にも属する]は、
[四つになる]に対応する。

 

注30によるとこれは、集合を特定するために要素(個物)をひとつひとつ取り上げていく方法だ。

 

後者:
[ある一つの性質を持つすべての個物が]は、
[二つのものを二つ集めれば、]に対応する

 

[別の性質を持つ]は、
[四つのものの集まりになる]に対応する。

 

注30によるとこれは、集合を特定するためにその集合の要素(個物)だけに成り立つ性質を指定する方法だ。
 
 後者は性質(普遍)に言及しているので2+2=4は普遍間の関係を述べているということで問題ないのだろう。問題となるのは前者だ。こちらは2+2が個物について言及したものだとしているので、2+2=4は普遍間の関係を述べているとは言えない。

 

 ぼちぼち私の力量では限界か。図と表で改めて整理したいものだ。しないけど。

 


参考1 哲学入門 バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、2018年、第二十刷
参考2 http://www.gutenberg.org/files/5827/5827-h/5827-h.htm