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哲学入門(バートランド・ラッセル著)10章 メモ(7)、10章完了

 ラッセルの哲学入門(参考1)10章の抜粋と読書メモの続きです。10章はこれで完了です。

 

P134、13行~P、1行
1、 直接的知識
  (=面識)
   (1)個物・・・センスデータ
           自分自身
   (2)普遍・・・感覚可能な性質
           空間と時間の関係
           類似
           抽象的な論理的普遍
2、派生的知識
  (=記述による知識=ものの面識+真理の知識)
   (1)直接的な真理の知識
       自明な真理(直観的知識)
        ・・・感覚
           抽象的論理・算術
           倫理学的命題
   (2)派生的な真理の知識
       自明な真理をもとに自明な演繹原理を使って得られた知識
<読書メモ>
 英文(参考2)をもとに訳語と英単語を比較した。“直接的な“はdirectではなくimmediateとなっていた。
 もの、真理 things, truths
 直接的、派生的 immediate, derivative
 面識 acquaintance
 個別, 普遍 particulars, universals
 センスデータ、自分自身 sense-data, ourselves
 感覚可能な性質、空間と時間の関係、類似、抽象的な論理的普遍
   sensible qualities, relations of space and time, similarity, abstract logical universals
 記述 description
 直観的知識 intuitive knowledge
 自明な真理 self-evident truths
 算術の arithmetical
 倫理的命題 ethical propositions
 自明な演繹原理 self-evident principles of deduction
 
P136、5行~15行
 真理の知識は直観的知識に依存する。第5章で面識による知識について考察したのと同じように、真理の知識についても考察することが重要になる。しかしそこでは誤謬が問題となる。どうすれば知識と誤謬を区別できるかを考えねばならない。なぜなら面識は間違いを含まないが、センスデータを物的対象の記号とみなす時に間違いが起こりうるからだ。
 (このように)真理の知識には困難な問題が伴うので、(次章では)直観的判断の本性と範囲を検討する。
<読書メモ>
 直観的知識が曲者なのか。直観とはいわゆる“ピンとくる“というやつだ。
 他人の言葉を勝手に解釈してその人のことを分かったつもりになったり、夜に物音を聞いて幽霊に違いないと思ったり、更にはその幽霊は誰の幽霊なのか私には分かると思ってみたり、自分はこういう人間だから絶対に変わらないと思ってみたり。
 誤謬はどこに潜んでいるのか。まずは自分自身の信念を検証しなければならない。


参考1 哲学入門 バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、2018年、第二十刷
参考2 http://www.gutenberg.org/files/5827/5827-h/5827-h.htm