作文練習

何か書くと楽しい、かもしれない。

哲学入門(バートランド・ラッセル著)12章 メモ(1)

 ラッセルの哲学入門(参考1)12章「真と偽」の、抜粋と読書メモを始めます。

 

P146、1行~6行
 真理の知識には誤謬がある。しかし、ものを扱う場合はそれを知っているか知らないかの違いはあっても誤謬という心理状態は存在しない。面識による知識に限定すれば、面識するものが何であれ、それが何かであることは間違いない。面識から誤った推測をすることはあっても、面識そのものは我々を欺くことはない。つまり、面識に二極性はない。

 

<読書メモ>
・面識そのものは我々を欺くことはない。The acquaintance itself cannot be deceptive.
・二極性 dualism

 

 「真理の知識」は本書の第4章で出てくる。以下、参考1のP54から引用する。
(「知る」という言葉の)第一の用法では、誤謬と対比される知識に当てはまり、私たちが知ることは真であるという意味で使われ、信念や確信など判断と呼ばれるものに対して適用される。この意味で私たちの知っているのは、何かが成立しているということである。この種の知識は真理の知識であると言ってもよい。

 

 何はともあれ、用語の定義は重要だ。「真理」という言葉からは何やら神秘的な響きを感じてしまうが、ラッセルの言う真理の知識とは「信念や確信など判断と呼ばれるもの」によって「成立している何か」だ。ここを押さえて次の段落に進みたい。

 


参考1 哲学入門 バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、2018年、第二十
参考2 http://www.gutenberg.org/files/5827/5827-h/5827-h.htm