作文練習

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哲学入門(バートランド・ラッセル著)9章 メモ(1)

 ラッセルの哲学入門(参考1)9章の要約とメモを始めます。()内の単語は英文(参考2)から拾いました。

 

<要約>

P113、1~4行
前章では、関係の存在の仕方は、物的対象や心やセンスデータの存在の仕方と異なるとした。本章では、関係の本性とは何か、関係の存在の仕方で存在する対象は何かの二つについて考察する。先に後者から考察する。

 

P113、5~9行
  この(関係の存在の仕方で存在する対象は何かについての)考察は、プラトンがもたらした。彼の「イデア論」は最も成功した解である。

 

P113、10行~P114、15行
 まず正義を例示する。
通常、正義は“個別の正しい行為”に共通するものから考察する。その共通するものは正しい行為に見出すことができ、そうでないものには見出すことができない。この共通の本性(common nature)が正義の本質(justice itself)だ。
正しい行為が複数存在する理由は、この本性が日常の諸事実と混ざるためだ。
次に、「白さ」を考察する。「白さ」も本性または本質を共有する。
これら純粋な本質を、プラトンは「イデア idea」や「形相 form」と呼んだ(イデアは例え心が把握したものであっても、心の中にあるものではない)。
正義のイデアは正しいものと同一ではない。つまりイデアは個別的ではなく共有される何かだ。個別的ではないということは感覚されるものの中には存在しないし、感覚のように変化することもない。イデアは不変であり、変化しないし破壊されない。

 

P114、1行~P115、10行
 プラトンイデアは超感覚的な(感覚を超えた世界)、実存的な世界である。感覚はその色褪せた反映としてのみ存在し、人間が言えるのは「それはこれこれのイデアに与(あずか)る」、「それが持つ諸々の特性はすべてイデアからなる」ということだけだ。
 本書では、イデア神秘主義に移行する流れは取り上げない。本書で論じたいのはイデアの論理である。

 

<読書メモ>

 ここまでは「普遍」の説明と定義だ。「普遍」とは「イデア」であり、共有されているが感覚されるものではないこと、認識できるが不変なもの、また、心の中にだけに存在するものではないとしている。

 

参考1 哲学入門 バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、2018年、第二十刷
参考2 http://www.gutenberg.org/files/5827/5827-h/5827-h.htm