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哲学入門(バートランド・ラッセル著)13章 メモ(1)

ラッセルの哲学入門(参考1)13章「知識、誤謬、蓋然的な見解」の、抜粋と読書メモです。

 

P160、1行~P162、1行

 本章ではどうすれば真偽を知ることができるかという問題について考察する。

 「この信念は誤謬ではない」ということを調べるとき、そもそも私たちが何かを知ることはあるのか、それとも運よく正しいことを信じているだけなのかという問題がある。ここでは、その問題を考察するために「知る」の意味を確定しておきたい。

 

 知識は真なる信念とは一致しない。その例を幾つか挙げる。

 例1; 名前がBで始まる首相が2代続いたという事実から、首相の名前が必ずBで始まるとする結論は知識ではない。

 例2: 戦闘結果を予想した新聞記事が的中したことで読者は勝敗に信念を持つかもしれないが、戦闘結果が出るまでそれは知識ではない。

 例3; 前提が真でも間違った論証により得られた結論は知識とは言えない。例えば「ギリシア人は人間である」と「ソクラテスは人間である」から「ソクラテスギリシア人である」とは言えない。

 

<読書メモ>

 いよいよ第一章冒頭の問い「理性的な人なら誰にも疑えない、それほど確かな知識などあるだろうか。」(参考1、P9)に答える章に突入する。これまで本書ではセンスデータ、面識、帰納、思考法則、真理、信念など、漠然と理解していた言葉の定義や根拠が明確にされてきた。本章を楽しむにはそれらを総動員すべきだろう。前の章を読み返しつつ進めていきたい。

 

参考1 哲学入門 バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、2018年、第二十刷

参考2 http://www.gutenberg.org/files/5827/5827-h/5827-h.htm