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哲学入門(バートランド・ラッセル著)12章 メモ(3)

 ラッセルの哲学入門(参考1)12章「真と偽」の、抜粋と読書メモの続きです。

 

P146、13行~P148、3行
 真理の本性を発見するための論点、(言い換えると)いかなる真理の理論も満たさなければならない要請が三点ある。
 (1) 偽を認める理論でなくてはならない。
かつて多くの哲学者は真理(信念)の偽(の存在)を認めなかったため、偽の位置付けに多大な困難を抱えた。
 この条件は信念が面識と異なることを示すものだ。面識に偽はない。

 

<読書メモ>
 今回は三つの条件のうち、一番目だけ抜粋した。
 真理の知識とは「信念や確信など判断と呼ばれるもの」によって「成立している何か」だ。従って、真である判断を正しいと考察する場合、偽である判断が間違っていることを示さねばならない。そうすると、自ずと偽である判断、即ち偽を認める理論がなくてはならないことになる。
 現実の複雑な問題に関しては、一つの事象を判断する場合において真か偽か分からない理論が数多く存在する。一つ一つ検証するしかないが、その前に真とは何か、偽とは何かについて語るラッセル先生の講義を受けてからにしよう。


参考1 哲学入門 バートランド・ラッセル著、高村夏輝訳、ちくま学芸文庫、2018年、第二十刷
参考2 http://www.gutenberg.org/files/5827/5827-h/5827-h.htm