作文練習

何か書くと楽しい、かもしれない。

言葉格差

 コロナ禍という背景もあるけが、最近つくづく伝えるための言葉が大事になってきたと思う。直接会えない人が増えてきて、電話やメールやリモートとかチャットの頻度が増し、もし直接会えたとしてもマスクで口元を見ることが出来ない。


 この様に対面で得られる非言語情報はどんどん少なくなっており、相対的に言語の重要性が増している。この流れはここ1年で加速したが、おそらく元には戻らないだろう。


 デジタルデバイド(IT機器の使用スキルによる情報格差)という言葉が生まれて久しいが、非言語情報に頼らない言語による意思疎通能力という点においても、実際はかなりの格差が存在しているはずだ。


 残念ながら言語による意思疎通能力の格差はデジタルデバイドや経済格差ほど客観的な指標を持たない。日本語で会話できるから問題ないと思いがちだが、自分の日本語のレベルを客観的に示す指標は無いのだ。仮にその能力格差によって自分が不利益を被っていたとしても、気付かないことさえある。自分よりもレベルの高い人は気付くかもしれないが、多分その人から指摘されたところで自分には理解できないし、喧嘩の元になるので普通は指摘しない。雲を掴むような話だが、自分で努力するしかない。


 その努力の方法の一つは、本を読んで理解することだと思う。本には言語だけが書かれているからだ。本はできれば古典、そうでなくとも50年以上前に書かれたものが良い。時間が経過しても高い評価を維持しているものは、言語のみの意思疎通のお手本になるに違いないからだ。